第18回日本救急医学会九州地方会

会長挨拶

危機管理! -九州は何をすべきか 何ができるか-

このたび、第18回日本救急医学会九州地方会を2014年6月21日に、アクロス福岡で開催させていただくことになり、大変光栄に存じますとともに、会員の皆様方に厚く御礼申し上げます。

昨今、evidence に基づく医療 (evidence based medicine) が重視される傾向にあります。私自身これを否定するものではありませんが、こと救急医療に関しては、1例1例の experienceに基づく医療(experience based medicine)も極めて重要と考えます。多くの苦難の末に救命できた症例や、予期せぬ事態に陥った症例を無駄にすることなく、救急医療に携わる方々に発信し、情報を共有するのが、正に地方会の役割と考えました。そこで、この会では、1症例の報告でも議論できるような場を設け、症例報告の重要性を再認識したいと思います。

今回、特別講演には元警視総監で前内閣危機管理監の伊藤哲朗氏をお招きしています。国家中枢の第一線で危機管理を指揮されていた伊藤氏のご講演内容は、救急医療現場においても相通じることが多いと確信しています。なお、伊藤氏が福岡県のご出身であることを申し添えます。

また、シンポジウムのテーマは『南海トラフ大地震発災時の危機管理』と題し、基調講演を独立行政法人海洋研究開発機構 横浜研究所 地震津波・防災研究プロジェクト 金田義行氏にお願いし、南海トラフ巨大地震大津波の九州への影響と備えについて講演していただきます。

皆様の多数のご参加を心からお待ちしております。

第18回日本救急医学会九州地方会 会長福岡大学医学部 救命救急医学講座 教授石倉 宏恭

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